パニック障害
前触れなく、動悸や息苦しさ、発汗、めまい感などが突然出現し、このまま死んでしまうのではないか、自分がおかしくなってしまうのではないかと強い不安に襲われます。からだの検査では直接的な原因となる異常がみられません。
この状態をパニック発作と呼びます。こうしたパニック発作が特別な状況に限定されずに繰り返し生じるようになった状態をパニック障害といいます。発作がなくても、また発作が起きるのではないかという持続的な不安がしばしば生じます。
広場恐怖
通常は危険ではない特定の状況において不安が生じ、苦手な状況や対象を回避しようとする状態です。人込みや電車の利用、飛行機への搭乗、高速道路での走行などが代表的な苦手な状況となります。
こうした状況に共通しているのは、すぐに利用できる出口がないこと、安全な場所へ逃げ出すのが難しいという点です。人によっては恐怖を感じる状況でパニック発作を生じます。重症となると安全な場所である家から外に出ることが困難となり、家にこもってしまうこともあります。しばしば慢性に経過します。
広場恐怖の方が苦手な状況
● 人ごみ
● 電車やバス、飛行機などの乗り物
● 高速道路の走行
● 渋 滞
● 歯科治療
● 会議室
● 美容院
治 療
身体的な疾患の除外を行った上で、症状の説明や発作で死ぬことはないことの保証などを説明します。薬物療法が効果的であり精神療法とあわせて行います。
薬物としては選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が第一選択となります。
パニック発作の抑制に即効性をもつベンゾジアゼピン系抗不安薬も選択されます。クロミプラミンやイミプラミンなど三環系抗うつ薬も有効です。